著者
大賀 康史 (おおが やすし)
株式会社フライヤー 代表取締役 CEO
2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。
2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。
共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。
【要点1】
出世や成功がキャリアの目標だった時代は過ぎ去った。一人ひとりが毎日を彩りあふれる世界に生き、幸せを追求する場として会社が存在しなければならない。
【要点2】
ピラミッド構造の組織の問題点である上層部のボトルネックの存在と、無能になってしまうまで出世するというピーターの法則から、至るところでメンバーのポテンシャルが発揮できない状態になる。
【要点3】
ステークホルダーには優先順位がある。通説とは異なり、(1)従業員、(2)顧客、(3)株主・債権者・取引先という順で考えるべきだ。
【要点4】
理想的な組織形態の1つは輪を描いているようなものである。すべてのメンバーが同列で遠慮せず、プロフェッショナリズムを持ち、自律的に好きなことあるいは得意なことをする状態がよい。
レビュー
組織という言葉にどのような印象があるだろうか。自分には「組織の利益」や「組織の力学」という言葉がまっ先に思い浮かぶ。組織の利益のためには自分の事情を劣後するような、滅私奉公という言葉も連想される。
働き始めたころから、社会人の常識という得体の知れない圧力が、人としての尊厳や幸せよりも優先される風潮に、ずっと違和感があった。組織というものの解像度を上げれば、一人ひとりのメンバーになるはずだ。どのような形態であれ、その全員が個人のポテンシャルを最大に解き放てるような組織をめざしたい。
どうしたら一人ひとりのメンバーが輝くか、という命題は組織を運営する中で誰もが悩むことだろう。組織の事情よりも、そのメンバーの側から周りの景色を眺めるとどう見えるのかをずっと想像してきた。わかった気になってはいけないが、人を知ろうとする努力はいくらしても無駄にはならない。一人ひとりにエネルギーを注ぐ過程で、自分たちにとっての理想に近づくための再現性のある法則が見えてくるからだ。理想を追求すればするほど、現実的な問題にぶつかる。私はずっとそれに直面してきたし、ほとんど毎日のように悩んでいる。ただ会社のメンバー、スタートアップ業界の先輩や友人、様々な専門家と議論を重ね、運営に反映していく中で、おぼろげながら法則性が見えてきた。
本書は得られた知見を飾らず正直に、そしてできるだけ体系的にまとめることを試みた。理想の組織を考えたい方にぜひ手に取っていただきたいし、率直なご意見もいただければ幸いだ。
大賀 康史 (おおが やすし)
株式会社フライヤー 代表取締役 CEO
2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。
2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。
共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。
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