落ちた葉っぱを使った楽しみ方はさまざま。拾った落ち葉を使って、家でアート作品作りを楽しんでみる遊びを、親子で満喫してみませんか。

コピー用紙で楽しむフロッタージュ

リモートワークが普及し、自宅にパソコンやプリンターを用意している家庭も多いと思います。そんなプリンターに欠かせないのがコピー用紙。もし自宅にコピー用紙がなくても、薄いメモ帳やお菓子の包装紙を使って、フロッタージュというアート技法に挑戦することができます。

方法はいたって簡単。拾ってきた葉っぱを紙の下にしいて、紙の上から鉛筆やクレヨンで葉っぱをこするだけ。すると紙の上に、リアルな葉っぱの模写が浮かび上がってきます。葉っぱの種類がたくさんあれば、いろいろな形をこすり出して楽しみましょう。

もし、葉っぱが1種類しかなくても、葉っぱの向きを変えて何度もこすり出すことで、葉っぱで作った乗り物や、動物、家や料理、ドレスに人の顔まで、いろいろなイメージを表現することができるんです。

鉛筆一色でモノトーンにまとめる場合は、こすり方に強弱をつけることで、濃いブラックから、淡いグレーまでグラデーションを使った陰影を楽しむことができます。もちろん、色鉛筆やクレヨンで色とりどりの葉っぱを表現するのも楽しいでしょう。

モグラの親子がフロッタージュを楽しんでいるようす

紙に葉っぱを貼り付けるコラージュ

フロッタージュ以外の楽しみ方では、拾ってきた葉っぱや木の実、枝、種などを紙にそのまま貼り付けるコラージュも魅力的です。まだ鉛筆がうまく動かせない低年齢の子どもには、コラージュのほうが取り組みやすいこともあるでしょう。

用意するものは台紙となる紙、貼り付けるために使うセロハンテープやのり。そしてもちろん拾ってきたたくさんの葉っぱです。フロッタージュのようにさまざまな組み合わせで好きな模様、形を表現してみるだけでも充分楽しめます。

ただ貼り付けるだけじゃ物足りない、という親子は、台紙を初めからお面の形に切っておいて、コラージュでお面作りなんてハイレベルな遊びに挑戦してみるのもいいかもしれません。

もっともっと難しいことに挑戦したい、お兄ちゃんやお姉ちゃんもいっしょにやりたい、という場合は、拾ってきた葉っぱそのものを絵の具で塗って、カラフルなコラージュ作品にジャンプアップもおすすめですよ。

絵の具があればスタンピングに挑戦

自宅に絵の具がある、という親子は、スタンピングという手法でアート作品を楽しむこともできますね。スタンピングというのは、言葉のとおりスタンプの要領で、拾ってきたものにインクをつけて、紙に押し付ける遊びです。

「そういえば、いらないスポンジがあったね」「歯ブラシも古くなっちゃったから、スタンピングに使っちゃおう」と自宅にあるいらないものを次々にスタンピングの材料にしてみるのもおもしろいですよ。

絵の具がなければ習字の道具に入っている墨汁でもかまいません。あるいはアウトドアで楽しんでいるときは、葉っぱや木の枝、木の実にこだわることなく、河原に落ちている石や食器の底なんかも立派なスタンピングの道具に早変わり。

工作や美術の大好きなお父さん、お母さんが、いつの間にか本気になってイモ判を作り始めたりするのも、親子アウトドアならではの楽しい光景です。

モグラの子どもがいたずらしているイラスト

落ち葉から広がる世界を大切に

あれ、いつの間にか葉っぱを拾うところから、ずいぶん遠くまできてしまいましたね。そう、親子アウトドアは楽しむことがいちばんで、「こうしなくちゃ」とルールに縛られないことが大切です。

「葉っぱを拾ってアート作品にしたい」「秋らしい季節感を作品に表現させたい」と、保護者の意識が先走ると、せっかくの楽しい時間も子どもにとっては「お勉強」のような窮屈な時間になってしまうものです。

きれいだなと思うこと、自由な発想が認められること、親子で楽しめたなと思えることを大切に、芸術の秋を最後まで味わってみることにしましょう。

ジョージ・リバーサイド

イラストレーター、エッセイスト。大学院で教育学を学び、現在は2人の小学生を育てる父親。自動車メーカーのアウトドアメディア編集長、教育NPO法人の代表理事、スポーツ用品メーカーのメディア編集長を歴任。

 

絵と文◎ジョージ・リバーサイド

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