テントサイトには、車の乗り入れの可否やロケーション、地面の状態などさまざまな種類があります。ここでは電源サイトについて、そのメリット・デメリットを中心に取り上げながら紹介しましょう。

料理や焚き火に加えて+αの遊びができる

社会インフラや娯楽など、現代では多くの人が電気の力を借りてそれらを享受しています。だからこそ、電気もなく、電波が届かないような大自然でオフグリッドな時間を体験できるキャンプの価値が、よりいっそう見いだされているとも言えるでしょう。

とはいえキャンプの楽しみ方は十人十色。電気に頼らないワイルドなキャンプを好む人がいる一方、「テントサイトで仲間と音楽や映画を楽しみたい」、「スマートフォンでキャンプの動画をおさめ、SNSにアップしたい」なんて人もいるはず。そんな人たちにとっては、電源付きのサイトが心強い存在となります。

「オートサイトであれば、車から電源を引けばいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、車の電源を使いすぎるとバッテリーが上がり、エンジンがかからなくなってしまう可能性もあります。現地で電気を多めに使用する予定があれば、大容量のモバイルバッテリーを持ち込むか、ここで紹介する電源付きサイトの利用をおすすめします。

海辺に設置されたテーブルの上にあるスピーカーとコップ
大自然のなか、キャンプのためにセレクトした音楽を聴きながらすごす時間は格別。

日常の持ち込みすぎには要注意

テントサイトに電源を設けるのではなく、センターハウス内に電源スポットを設けているキャンプ場もあります。使える電力量などは限られるかもしれませんが、「スマートフォンを充電したい」「キャンプの合間に少しだけPC作業をしたい」といった人には充分なはず。

コロナ禍以降「ワーク」+「バケーション」を組み合わせた「ワーケーション」というスタイルが認知され、キャンプ場でリモートワークを行なう人、チームビルディングを目的にキャンプ場で研修を行なう企業なども増えてきています。そうした人々にとっても、電源付きのサイト、または場内に電源がとれるスポットがあるキャンプ場は、有力な選択肢になっていることでしょう。

とはいえ、非日常な体験をすることができるからこそ、日常を持ち込みすぎずにのんびりとすごしたり、キャンプならではの楽しみ方を満喫したいもの。より有意義な時間にするための手段として電源を活用する、くらいがちょうどいいのかもしれません。

広々としたキャンプ場の広場サイト
長野県にある「松本市美鈴湖もりの国オートキャンプ場」の広場サイト。電源がテントサイトの外周に設置されているため、延長コードの用意が必要になる。

文◎松元麻希

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