テントサイトには、車の乗り入れの可否やロケーション、地面の状態といった条件によってさまざまな種類があります。ここでは林間サイトについて、そのメリット・デメリットを中心に取り上げながら紹介しましょう。

木々に囲まれ癒し効果が抜群のロケーション

林間サイトを選ぶことのメリットといえば、樹木が発散する癒し成分「フィトンチッド」を全身に浴びながらキャンプができることでしょう。難しいことは考えず、木々に囲まれてすごす時間は「なんだか心地よい」と感じているものです。

林間サイトのいいところは、もちろん感覚的な部分だけではありません。周囲の木々が、夏の強い日差しや雨、風からテントサイトを守ってくれます。よっぽどの天候でない限り、防風でテントが飛んでいってしまうこともないはず。

木がすぐ近くにあるので、ハンモックやスラックラインを取り付けて、昼寝をしたり遊んだりすることも可能。ただし森によっては、木にものを直接巻き付ける行為が禁止されている場合もあるので、そこは事前に調べておきましょう。

焚き火をするなら、焚き付け用の小枝をすぐに拾えることも魅力です。また運がよければ、木の実を探してウロウロしている小動物にも会えるかもしれません。

木々に囲まれたキャンプサイト
整備が行き届いた、長野県の「四徳温泉キャンプ場」のフォレストサイト。秋にはカラマツが黄金色に染まる。

木の状態をチェックして倒木リスクの有無を確かめて

林間サイトは森好きにはたまらないロケーションではありますが、木々に阻まれてまわりの景色が見えないという点は、デメリットともいえます。キャンプで開放感を味わいたいという人には不向きの場所かもしれません。

またテントやタープを設営するにあたり、木の位置によっては制約が出てしまう場合も。テントサイトを選べるキャンプ場であれば、自分たちが持ち込んだ道具の大きさや形状を考慮して選ぶようにしましょう。

ひとつ注意しなくてはいけないのが、木の枝に新芽や葉が付いていないような、倒木の恐れのある木が近くに立っているテントサイトは避けるということ。実際に、根腐れを起こした木がテントの上に倒れて、中で寝ていたキャンパーが命を落としてしまったという悲しい事故も起きています。めったに起きない事故ではありますが、キャンプを楽しい思い出にするために、起こり得るリスクは頭に入れておきましょう。

森の中にあるキャンプサイトに設営された白いテント
北アルプスの玄関口・上高地にある「小梨平キャンプ場」。国立公園内ということもあり、焚き火台の有無にかかわらず焚き火が禁止されている。

■クレジット

文◎松元麻希

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