テントサイトには、車の乗り入れの可否やロケーション、地面の状態といった条件によってさまざまな種類があります。ここでは草原サイトの特徴を、そのメリット・デメリットを中心に取り上げながら紹介しましょう。

メリットは開放感と地面がフラットなこと

周囲に木々がない、または少なく草地が広がるテントサイトでキャンプをする魅力は、なんといってもその開放感でしょう。ある程度広い敷地が確保されている草原サイトであれば、区画サイトではなくフリーサイトとして利用できることが多く、大きなテントやタープを持ち込み、家族や仲間とともにのびのびとキャンプを楽しむことができます。

地面の凹凸が少ないところも、草原サイトのメリットといえます。横になるときにストレスが少なく、テーブルやイスを安定して置くことができます。見晴らしがよいというのも、走り回って遊びたい小さな子どもを連れたキャンパーにとっては重要なポイントです。

もうひとつの草原サイトのいいところは、テントを固定するペグが打ち込みやすいことです。土や砂礫の地面と比べて柔らかく、ペグを深く刺し込むことができます。風にあおられないよう、長いペグを用いてテントやタープをしっかり固定しましょう。

草原に設営された一人用テント
視界の先に草地が広がる、群馬県の「無印良品 カンパーニャ嬬恋キャンプ場」の草原サイト。非日常感にあふれ、写真映えするロケーションがそこかしこにある。

デメリットは悪天候時に雨や風をダイレクトに受けてしまうこと

遮るもののないすばらしいロケーションは、一方で、雨や風に弱いというデメリットもあります。とくに注意すべきは強風で、緩衝材となる木々が周囲にないぶん、テントやタープにその威力が直撃してしまうのです。そのため草原サイトを予約した際は、キャンプに出かける前に現地の天気予報をチェックして、不安があればペグだけでなくウェイトも持っていくなど対策をしておくのが吉。

草原サイトに限らず地面が草地になっているサイト全般に当てはまりますが、早朝に草地一面が朝露に濡れることがある、というのも押さえるべきポイントです。とくに、ある程度標高の高い場所にある草原サイトであれば、日中は暖かくても朝晩にグッと冷え込むため、草地に朝露が発生します。「朝、トイレまで歩いただけで足元がビショビショになってしまった……」なんてこともあり得るので、サンダルだけではなく、防水のシューズやレインブーツなどを持っていくと安心です。

悪天候のテントサイトのようす
草原サイトでは、雨や風の緩衝となってくれるものが近くになく、その影響をモロに受ける。晴天でも強風でテントが飛ばされることもあるので、テントは細引きで入念に固定しよう。

■クレジット

文◎松元麻希

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