焚き火台選びでは、人数や目的を明確にしたうえで機能性や収納性で選ぶことが重要になりますが、ファーストインプレッションも加えておきたいもの。情報過多な時代において、やはり自分の直感も大事にしたいところです。 また、高額なうえに気軽に買い替えることは難しく、できれば一生モノにできる一台を選んでほしい。経験上、「やっとの思いで選んだが、思いどおりに燃えてくれない」なんてこともあります。そういうときは使い続けることで、その台のクセがわかると同時に、自然と火起こしのスキルも上がっていきます。そうしていけば愛着が湧いてくるはずです。 しかし、どのモデルも一長一短。初心者にとってそれを見極めるのは至難の業ですが、選んだ焚き火台がアナタの答えであり、大切な相棒になることは間違いありません。 どの台を選んでも最低限の機能は保証されているなか、これから焚き火台を選ぶ人に向けて、いまおすすめの焚き火台をご紹介します。

【ソロ、デュオ】ミニマリストにピッタリ|UCO/フラットパックグリルS

UCOのフラットパックグリルS

かさばりがちな焚き火台が多いなか、収納サイズが厚さ3cmほどと極薄。コンパクトな荷物でキャンプを楽しむ人なら、バックパックの背面やトートバッグに入れることで持ち運びが楽なうえ、組み立てもわずか30秒ほどでできてしまいます。
一見、華奢な脚ではありますが、薪をくべていくほどにその重さで安定感が増していきます。付属の金網は充分な調理面積があるので、ストレスなく食材を焼くことも可能です。

UCO/フラットパックグリルS
¥5,940
サイズ:24.1×17.8×20.3㎝
収納サイズ:27×18×3cm
重量:832g

【ソロ、デュオ、ファミリー】人目を引きつけるデザイン|ムラコ/サテライトファイヤーベース

ムラコのサテライトファイヤーベース

両端の大きなボルトを緩めるとアームとレッグが開き、閉めることでロックされるなどギミック満載。それに加え、火床はカラビナで引っかけるなどの遊び心がキャンパーの心をくすぐります。
燃焼効率が良いとされているメッシュの火床は炭が溜まらず、きちんと燃えきって灰になります。高機能だが地面に影響を与えてしまうので、必ず焚き火シートで保護して使用を。収納サイズも折りたたみ傘よりひと回り大きい程度なので、バックパックのサイドポケットに入れることができます。

ムラコ/サテライトファイヤーベース
¥22,000
サイズ:45×42×25cm
重量:1790g

【ソロ、デュオ、ファミリー】シンプルな作りほど飽きがこない|エイアンドエフ/ファイヤースタンド

エイアンドエフのファイヤースタンド

側面に高さがあるため薪を縦に組みやすく、そうすることで空気の流れが良くなり、煙突効果と相まってキレイな炎が立ち上がります。10インチ以下のダッチオーブンならステンレス棒の五徳でしっかりと支えることも可能。置いた状態でも側面にV字に溝が切り込まれているので、そこから薪を投入できます。ベースプレートに灰が溜まるので、灰の処理が簡単です。

エイアンドエフ/ファイヤースタンド
¥20,680
サイズ:28.5×29.5×22cm
収納サイズ:31×31×3cm
重量:4.9kg

【ソロ、デュオ】ありそうでなかった円柱状タイプ|サイラス9/フレームインザウィンド

サイラス9のフレームインザウィンド

海辺などでの強い風に対応できるよう、外筒と内筒の2層構造に。外筒を回転させれば風防になり、風向きに合わせてシャットアウトすることが可能です。
外筒の開口部を自身のほうに向ければ、より効果的に暖をとることも。また開口部をフラットにすれば、五徳や鉄フライパンが置け、直火調理も可能になります。少人数向けで、タフな環境でも心強い設計です。

サイラス9/フレームインザウィンド
¥39,800
サイズ:250×68×168㎝
重量:5㎏


【デュオ、ファミリー】焚き火台選びのスタンダードは二次燃焼へ|トウキョウクラフト ブレイズボックス

トウキョウクラフトのブレイズボックス

近年発売されている焚き火台では、高効率な二次燃焼タイプが増えてきました。なかでも、これは豪快に燃えるだけでなく、灰の処理や組み立て方などが緻密に考えられています。
5つのパーツからなり、すべてをスタッキング収納できることでコンパクト化を実現。また、六角形の形状にすることで、薪をくべる際に自然と空間が生まれ、より燃焼効率が上がるようになっています。

トウキョウクラフト/ブレイズボックス
¥21,900
サイズ:約33cm×47cm×30.5cm
収納サイズ:約33cm×47cm×12cm
重量:約10.1kg

【ファミリー、グループ】焚き火と調理が同時にできる|ファイヤーサイドアウトドア/ポップアップピット

ファイヤーサイドアウトドアのポップアップピット

メッシュの火床が60cm四方と、かなり大型の焚き火台。薪の組み方の自由度が高く、直火感覚を楽しめます。また広い火床ならではの特徴として、片面で薪を燃やして焚き火を楽しみ、もう片方でオプションのBBQグリルを使って炭火調理ができてしまうことが挙げられます。これに加え、焼きあがった食材を火床内で逃がしての保温も可能。ヒートシールドが標準装備されているので自然にも配慮されています。

ファイヤーサイドアウトドア/ポップアップピット
¥15,400
サイズ:62 × 62 × 39 cm
収納サイズ:68.5 × 13 × 13 cm
重量:3.6 kg

【グループ】キングオブ焚き火台|ソロストーブ ユーコン

ソロストーブのユーコン

市販されている焚き火台のなかでは最大級で、煙を少なくする二次燃焼システムの代名詞的な存在です。
ジャパンメイドの焚き火台はグリル兼用のものが多いですが、アメリカ発ならではの“暖をとることに特化”したモデルに。初心者でも扱いやすく、手間をかけなくても太い薪がガンガン燃えてくれます。燃えさしも失くなるので、メンテナンスが楽なのもうれしいポイントです。

ソロストーブ/ユーコン
¥77,000
サイズ:約50.5×68.5cm
重量:20㎏

プロフィール
猪野正哉/焚き火マイスター

焚き火マイスターの猪野正哉さん

日本で唯一の肩書を武器に、焚き火絡みの執筆や講師、監修だけで生計を立てている稀有な仕事をしている。キャンプや登山も人並み以上の経験があり、ちょっとは語れる。著書に『焚き火の本』『焚き火と道具』(ともに山と渓谷社)がある。

 

※掲載内容は、2024年3月現在の情報をもとに作成しています。ご購入の前に最新の情報をご確認ください。

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